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記:1月27日(金)14時~
場所:京都大学人文科学研究所本館1階 セミナー室1
報告:藤原 辰史
タイトル:ボロとクズの人文学


【概要】
落とされたもの、捨てられたもの、放置されたもの……これらの所有制度から剥がれお
ちたものは、焼いたり埋められたりするまえに、掃除され、拾われ、選別されることで
社会と経済を裏から支えてきました。紙屑は再生紙に、魚の腸は肥料に、木屑は梱包材
に、残飯は食料に、と、その事例には事欠きません。こうした作業を担ってきた人々の
目線から、あるいは、ボロやクズと呼ばれてきた物(者)から、近代の歴史を概観して
みたいと思います。それは必然的に、「危険な階級」に対する「治安維持」と「衛生行
政」の内実や、「環境政策」が誕生する背景を描くことになるでしょう。まだ着手した
ばかりのテーマであり、雑駁な読書ノートのような報告になりますが、ゴミ問題が一向
に解決をみず、ゴミの埋め立て地が増えつづけるいま、ゴミの人文学的意味を問うこと
は喫緊の課題であると考えています。

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