top of page

 

記:6月25日(土)、14時から
◆場所:京都大学人文科学研究所本館3階 セミナー室4
◆報告:南川高志
◆タイトル:ローマ帝国解釈と近現代の世界

【概要】
ローマは、帝国滅亡後も様々に記憶され、想起されてきた。とくに近世以降のヨーロッパにおいて、最初は共和政のモデルとして、次に帝国のモデルとして利用されたことはよく知られている。しかし、利用されただけでなく、ローマ史研究者の側でも時の政治に関わり、政治を利用してきたことも看過できない。本報告では、まず、現代の研究が明らかにしたローマ帝国の「実態」を簡潔に紹介した後、近現代世界におけるローマ帝国のイメージや解釈、そしてその変遷を、政治から映画や商業活動までたどりなが
ら、扱われ方を紹介する。次いで、近代以降のローマ史研究者たちの活動の中から、注目すべき論点をいくつか取り上げて、研究者たちの生きた時代と研究活動や学説との関わりを考察する。そうした作業を通じて、現代にあって歴史学研究は如何になされるべきか、人文学の研究はどうあるべきか、そうした問いを考える際の論点を提供してみたい。

bottom of page