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記:10月22日(土)14時から
場所:京都大学人文科学研究所本館3階 セミナー室4

 

報告:大久保恭子 「1937年パリ万博をめぐるフランスの文化政策」
   河本真理 「1937年における第三帝国の展示・文化政策―パリ万博ドイツ館 /
退廃芸術展 / 大ドイツ芸術展」
   高階絵里加 「昭和前期の日本と美術――1937年パリ万博参加をめぐって
タイトル:「1937年――美術・社会・政治」

 


【概要】
 美術史における「現代」は、歴史学においてと同様に第二次大戦後にその起点を置く
見方が主流である。しかしながら、国際秩序が崩れ普遍的なものへの信頼が大きく揺ら
いだ1930年代を、ひとつの「現代」の始まりと考えることもできるだろう。
 ヨーロッパにおける政治的緊張の高まりと世界恐慌を契機とする社会不安に特徴づけ
られる1930年代は、「第二の戦前」であり、「危機の時代」ともいわれる。美術の分野
においても大きな転換期であり、抽象表現やシュールレアリスム運動による新しい造形
上の探究が試みられるいっぽうで、国家・社会と美術との関係が複雑な様相をみせた時
代でもある。
 本共同報告では、フランス、ドイツ、日本の3つの国をとりあげ、1937年パリ万国博
における展示と、その前後の同時期に開催された展覧会や美術事業を、それに先立つ両
大戦間期の文化政策や芸術論争とともに考察する。
 国家の文化政策と芸術表現との葛藤の場としての博覧会や美術展に目を向けつつ、19
30年代のヨーロッパと日本における美術の文化的・政治的意味について考えたい。

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