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日時:10月6日(金)、14時から
場所:京都大学人文科学研究所本館1階 セミナー室1
報告:坂本優一郎
タイトル:「貯蓄と投資」と現代史 ―二つの世界大戦を接続する―


【概要】
山室・岡田・小関・藤原編『現代の起点 第一次世界大戦2総力戦』(岩波書店、2014
年)所収の拙稿「戦債と社会―第一次世界大戦と「公債の民衆化」」では、戦時公債に
刻印された総体性や世界性をてがかりに、カネと社会の関係から第一次世界大戦の特質
を明らかにしようとしました。しかし、それがいかなる意味で「現代の起点」たりうる
のか、という最も大きな問題については、「公債の民衆化」という漠然としたかたちで
お茶を濁した程度にとどまり、検討に耐えうる回答を提示することはできませんでした
。そもそも、「現代」とはいつからなのか、どういう時代なのか、という点を抜きにし
ては、この問題への意味のある答えは望めません。同時に、「現代」へアプローチする
にしても、歴史学の手法として用いる場合、現代史は現在の歴史学が直面する難問の一
つでもあります。いずれにしても、困難な課題であることには間違いありません。そこ
で、この報告では小さな第一歩として、第一次大戦と第二次大戦を連結することで見え
てくるものは何か、というかたちで問題を設定することで、これらの課題についてすこ
し考えてみたいと思います。上記拙稿でも部分的に触れました「戦争(国民)貯蓄運動
」という、歴史家が見過ごしてきたマイナーな事象を手がかりに、議論のたたき台を提
供できればと考えています。

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